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研究内容

私達は網膜を主なる材料に組織幹細胞を軸に、組織の発生、再生、さらに脳神経がんのメカニズムを研究しています。 網膜疾患のメカニズムを理解するためにヒトiPSを用いた研究をおこなっています。
私達の研究室では網膜の発生、再生研究を行っています。
私達の研究室の前身を設立した新井賢一先生はアメリカサンフランシスコ郊外のDNAX研究所、1989年からは医科学研究所でサイトカインシグナルと その血液細胞の増殖分化の制御にかかわる第一線の研究を展開してきました。
私たちは、より高次構造を持ち中枢神経の一部でもある網膜について発生再生研究を中心に幹細胞共通のメカニズム、組織幹細胞特異的なメカニズムの解明をめざして研究を行っています。この背景には、常に幹細胞、シグナル伝達、がんの研究の第一線であるサイトカインと血液研究の技術、知識を 応用することを特徴としています。現在はさらに、脳神経がんの発症機構の研究もおこない、正常と病態との関連についても関心を持っています。
研究室では
1.マウス、培養細胞、iPSを中心としたモデル動物(系)のそれぞれの特徴を生かし、知見を共有しながら複数の系を使い研究を展開する。2.網膜を中心に、発生、再生、維持とその破綻の研究を行い疾患のメカニズムを明らかにする。3.発生過程のメカニズムをシグナル制御の観点から明らかにし、logicalなアプローチで再生研究へとむすび付ける。4.臨床応用をめざしたヒトの系の導入:他大学、病院眼科学教室などとの共同研究により臨床サンプルの解析をおこない、臨床応用を常に見据えた研究を行なう。
という方針のもとに以下のプロジェクトが走っています。

1. 眼の初期発生のメカニズム研究、網膜幹細胞の単離の研究、視細胞変性と そこからの再生研究が主なる研究 網膜の組織培養系、in vivo electroporation、種々のモデルマウスなどを使い、視細胞変性とそこからの再生について 研究を行っています。再生には特に網膜内グリア細胞であるミューラーグリアに注目し、網膜変性時におけるミューラーグリアの脱分化、 神経細胞への分化を人為的に誘導し、その分子メカニズムを明らかにすることを目標にしています。
また、網膜分化にかかわるヒストンメチル化による制御機構について重点的に研究を進めています。特にH3K27me3, H3K4me3, Acetyl化、などについて、ChIP解析、ノックアウトマウスの解析に、東北大学との共同研究により高度な バイオインフォマティクスの手法をとりいれ研究を展開しています。
(Iida et al, PNAS, 2014参照)

ゼブラフィッシュ眼球切片免疫染色

ゼブラフィッシュ眼球切片免疫染色画像。ゼブラフィッシュは 発生が早く、発生段階の解析に有力なツールとなる。

2. 網膜の初期発生にかかわる新規遺伝子の探索マウスをもちいて micro array,RNAseqなどにより網膜の初期発生にかかわる遺伝子の単離を試みています。その際、血液学的手法を用い、網膜プロジェニター細胞や分化細胞をセルソーターで分離し、細胞系列あるいは発生ステージ特異的な遺伝子発現、ヒストンメチル化、miRNA発現などの関係についてデータベースを作成し、分子生物、細胞生物学的な研究を展開しています。

マーモセット網膜の黄斑部

マーモセット網膜の黄斑部。
マウスは黄斑部を持たないため、
サルのサンプルも用いている。

3. 網膜幹細胞の探索と細胞系譜の決定 中枢神経の幹細胞研究が進展する一方で網膜の幹細胞については その存在や実体についてあきらか ではありません。私達は血液幹細胞研究でつちかってきた細胞分画、細胞系譜の追跡などの知識と技術を駆使し、細胞表面の分子(表面抗原)にたいする抗体多数を用いてマウス未分化網膜をスクリーニングし、反応する抗体を用いて網膜細胞をセルソーターで単離し、それぞれの亜集団の増殖能、分化能を検討することにより未分化網膜集団をおいつめ、細胞系譜の決定を行っています。さらにはそれらの亜集団の移植による網膜の再生についても検討を加えています。

4. 網膜変性疾患患者様由来のiPS細胞細胞の樹立と疾患メカニズムの研究
遺伝性網膜変性症の患者様の末梢血よりiPS細胞を樹立し、これを網膜に分化させることにより、疾患のメカニズムを研究し、さらにスクリーング 系を樹立し創薬のプラットフォームをつくることをめざした研究を開始いたしました。この研究は医科学研究所大津真研究室、順天堂大学眼科との 共同研究です。

視細胞変性モデルマウスの網膜

視細胞変性モデルマウスの網膜。
様々な細胞が活性化し変性病態を
修飾している。

ヒトiPSより網膜に分化させた組織の切片の染色像1

ヒトiPSより網膜に分化させた組織の切片の染色像2

ヒトiPSより網膜に分化させた 組織の切片の染色像。
In vitroで 層構造を持つ網膜組織を作り、 病態解析、創薬への利用を目指しています。

5. トランスポゾンミュタジェネシス法によりマウスの神経幹細胞に大規模ミュタジェネシスをおこなうことで、小脳随芽腫、グリオーマの原因遺伝子の候補遺伝子のデータベースを作成しました。この候補遺伝子について、増殖への影響、シグナルへの影響、Public データベースでの絞り込みなどをおこない、脳腫瘍の治療標的分子の同定をめざしています。

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